山瀬まみ その1
2006 / 06 / 28 ( Wed ) |
抱き合って
2006 / 06 / 27 ( Tue ) 京阪四条から203番のバスに乗り浄土寺で降りる。吉田山に向かって100mほど歩いたところが私の下宿だった。大家さんは少し離れた家に住んでおり、その下宿は学生だけが4人で間借りしていた。部屋はかなり散らかっていたので、彼女は一目見るなり、「うわー、これは・・・褒めてあげるわ・・・。とにかくちょっとかたずけよう」と言った。部屋の隅に種の入った袋を置いて、二人で部屋の掃除を始めた。といっても、10畳ほどのひと部屋だけなので、そんなにはかからない。ゴミをまとめ、本やガラクタを棚に戻し、掃除機をあてる。30分ほどで終わり、部屋の隅に積んだ布団にやれやれと二人してもたれかかった。
古い家だったので、天井には合板ではなく本当の板の木目が見える。どこまで行くのかはともかく、お互いに踏み出す気持ちは決まっていた。彼女が身体を寄せてきて「密室に二人だけは危ないね」と悪戯っぽく笑う。「そうやね」と彼女を抱き寄せた。彼女は前にボタンの付いた鶯色ワンピースを着ていた。丈は膝が隠れるくらいあり、ベージュのストッキングを履いていた。後から分かったが下には白のブラスリップを付けていた。抱いた身体は、やはり、柔らかかったり、骨ばっていたりする。石鹸だかシャンプーだかの香りがする。「最後まではしないでね」「うん」私は全くの未経験だったので、少し気が楽になった。そのまま、しばらく、じゃれあうように抱き合っていた。柔らかな胸の感触があり、足が絡まり、頬が触れ合った。かなり興奮するが、何をどうしてよいかよく分からなかった。無難なところに手を這わせながら、じゃれあっていた。 |
堀ちえみ その1
2006 / 06 / 24 ( Sat ) |
始まり
2006 / 06 / 23 ( Fri ) 始まりはいつだろう。京都三条のイノダ珈琲からの帰り、彼女が腕を組んできたときか。二の腕に彼女のあまり大きくない胸のふくらみが当たり、どこかギクシャクと京阪三条までの道を歩いた。「嫌だった?」「ちょっと驚いた」その数日後、和歌山の小島住吉という海辺の町に行った。海岸で夕陽が落ちるのを観た後、日の暮れたバス停には私たち二人しかいなかった。彼女が腕を組んできたかと思うと、前に回って抱きついてきた。私も彼女の背中に腕を回して、抱きしめようとすると・・・、バスが来てしまった。
このころから、時間の問題だった。今思えば、彼女はその先を知っていたのかもしれない。私にとっては未知の世界で、でも彼女に触れてみたかったし、それが二人の関係にどんな影響を及ぼすのかを知りたくもあった。 そして、さらに数日後、梅田の毎日文化ホールで一緒に映画を見た土曜日の昼下がり、私の京都の下宿に二人で行くことになった。私は山陰地方である植物の種をサンプリングした帰りで、大き目のスーパーの袋を両手にぶら下げていた。「この種をどこかにおかないと邪魔やん」というのが下宿に行く理由であった。が、二人ともそれが口実なのは分かっていた。とにかく、二人きりになりたかった。邪魔の入らないところで。 京阪電車に乗っている間、彼女は私に身体をくっつけてきた。「私、おかしいのかな。こうしてくっついてたいんやけど・・・」彼女の身体は骨ばっているところがあるかと思うと、妙に柔らかいところがあったりする。不思議な感触だった。 |
北原佐和子 その1
2006 / 06 / 20 ( Tue ) |
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