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四国旅行(その2)
2009 / 08 / 23 ( Sun )
彼女は堺から、私は京都からなのでJR大阪駅で待ち合わせて、快速西明石行きに乗り込んだ。喧嘩の余波でなんとなく気まずく、「元気やった?」「うん」などとよそよそしい会話で始まったが、そこは普通列車の旅で長大な時間を共有することになる。岡山までは3時間弱、そこから丸亀までは1時間くらいかかる。結局、姫路で途中下車する頃には普段どおりの雰囲気になっていた。姫路城を見学するときは、人気がなくなると彼女の方から手をつないできたりした。

姫路城は小学生のとき以来だった。久し振りに見るそれは、なかなか立派だった。明治維新、廃藩置県が強行されたとき、日本中の天守閣をもつ城は取り壊されたが、例外として残された城がいくつかあった(彦根、松本、犬山、丸岡など)。姫路城もその一つであり、規模からいえば唯一のものである。駅へ戻る途中の商店街で彼女は麦藁帽子を買った。シンプルな造作のそれを頭に載せて「似合う?」と笑う彼女は、なんだか妙に可愛く見えた。
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テーマ:自伝的官能小説 - ジャンル:アダルト

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