四国旅行(その4)
2009 / 08 / 29 ( Sat ) 私も彼女の方に身体をまわし、彼女の上半身を抱きしめた。彼女の首筋からはシャンプーの香りがした。首筋にキスをして、そのまま唇を彼女の頬に捺しながら動かした。彼女もわずかに首をまわし、唇が重なった。軽く何度か触れ合った後、お互いの舌先が唇をさぐりあった。舌がゆっくりと絡まり久々の感触はなんだかすごく気持ち良かった。
「キス、久し振りやね」「気持ちいい・・・」「そうやね」「もう一回・・・」。私たちは再び目を閉じて、唇を合わせ、舌を絡ませあった。彼女の手が動き、私の硬直をさぐっていた。私も彼女の胸に手を這わせる。ズボンの上から(その下にはパンツがある)と、ワンピースの上から(その下にはスリップとブラジャーがある)の愛撫だったが、2人ともそういった行為のもたらす官能に浸り始めていた。 |
四国旅行(その3)
2009 / 08 / 28 ( Fri ) 岡山では駅前の寿司屋で「祭寿司」という郷土料理を食べた。ちらし寿司のちょっと派手なものという感じ。岡山では市内観光はせずに瀬戸海峡線に乗り込む。途中、鷲羽山へ寄った。当時、瀬戸大橋は架けられてまだ間がなかった。海を渡る巨大な建造物はまだ目新しく、それを一望するには鷲羽山は格好の場所だった。児島駅から鷲羽山に向かうバスがでていた。まだ残暑の気配が残る鷲羽山は観光客もまばらで、バスを降りた私たちは展望台に向かった。
途中、景子は「なんか、お腹が痛い」としゃがみこんでしまった。「大丈夫?」「背中をさすって」「いいよ」。右手でワンピースの上から背中をゆっくりさすっていると、彼女の手が私の左手に触れ、自分のお腹の方にもっていった。「ここもさすって」「うん」。それは妙な光景だった。2人ともしゃがみこみ、私は彼女の肩を抱えて、ワンピースの上から彼女のお腹をさすっているのだ。やがて彼女はワンピースのボタンを一つ外し、私の手を中に導きいれた。スリップのサラサラした感触の上から暫くの間、彼女の腹部をさする。私の指は悪戯っぽく動き始める。さする、から愛撫に変化する。2~3分間もそうしていただろうか、彼女が顔を上げて、両手を私の身体にまわし、ギュッと抱きしめて、耳元で「直った」と言った。私たちは立ち上がり、手をつないで展望台に登っていった。 展望台の木のベンチに腰かけると、瀬戸大橋が一望できた。橋脚のてっぺんがチカチカと光り、長大なケーブルはうねるように、本州と四国を結んでいる。それは静止した建造物には見えなかった。今にも動き出しそうなダイナミックな建造物だった。「すごいね」「大きいなあ」。暫くの間、私たちはあっけに取られてそれを眺めていた。しかし、目の届くところに唯一居た中年の夫婦連れが見えなくなると、彼女は私に抱きついてきた。 |
四国旅行(その2)
2009 / 08 / 23 ( Sun ) 彼女は堺から、私は京都からなのでJR大阪駅で待ち合わせて、快速西明石行きに乗り込んだ。喧嘩の余波でなんとなく気まずく、「元気やった?」「うん」などとよそよそしい会話で始まったが、そこは普通列車の旅で長大な時間を共有することになる。岡山までは3時間弱、そこから丸亀までは1時間くらいかかる。結局、姫路で途中下車する頃には普段どおりの雰囲気になっていた。姫路城を見学するときは、人気がなくなると彼女の方から手をつないできたりした。
姫路城は小学生のとき以来だった。久し振りに見るそれは、なかなか立派だった。明治維新、廃藩置県が強行されたとき、日本中の天守閣をもつ城は取り壊されたが、例外として残された城がいくつかあった(彦根、松本、犬山、丸岡など)。姫路城もその一つであり、規模からいえば唯一のものである。駅へ戻る途中の商店街で彼女は麦藁帽子を買った。シンプルな造作のそれを頭に載せて「似合う?」と笑う彼女は、なんだか妙に可愛く見えた。 |
四国旅行(その1)
2008 / 09 / 20 ( Sat ) 景子は自分で「余白の広い顔」なんて言ってたが、結構美人だったと思う。当時NHKでニュースキャスターをしていた宮崎緑、羽生善治の奥さんになった元アイドルの畠田理恵、朝の連ドラのヒロインを演じた田中美里といった人たちに似ていた。少し金属質の声で、真面目で融通の利かないところがあり、クレッチマーの分類でいけば分裂気質に入るだろうか。しかし、ユーモアも十二分に持ち合わせていて、よく面白いことを言った。
私の下宿は木造だったので、SEXは殆ど声を立てなかった。大抵、カーペットの上でじゃれ合っているうちにことに及ぶことが多くて、その最中は、ギシギシという床がきしむ音と「アッ、アッ」とか「ウッ、ウッ」という彼女のため息だけが発せられていた。そんなSEXが習い性になっていたせいか、別に音を立ててもかまわない所でのSEXも、おとなしいものだった。 彼女とは何度か2人で旅行をした。四国や岐阜、秋田県の鳥海山に登ったこともあった。今回は四国に1泊2日で旅行したときのことを書こう。これは2回目の旅行だった。 このときは姫路、岡山、鷲羽山とまわって瀬戸大橋を渡り、丸亀で一泊。翌日は丸亀城を見学して高松へ。そこから高徳線で徳島まで行き、フェリーで大阪の深日港に渡るといった行程だった。 この時は、その2ヶ月前くらいに喧嘩をして、その仲直りを兼ねた旅行だったように記憶している。その間、彼女の身体に触れるどころか、デートもしていなかった。日程を合わせて計画を立て、ホテルを予約するとき、電話で「部屋はどうする?」とカマをかけるように尋ねた。彼女は「別々の部屋で寝る?でもやっぱり一人で寝るのは寂しいから、ひとつにしよ」なんて照れたように答えた。まあ、完全に歩み寄ってくれているわけで、『ということは、ホテルでは抱き合うことになるよなあ、そこまでにこの間からの気まずい空気をどうかせんとあかんけど、どういう風に仲直りすればええんやろ』、なんて考え込んでしまった。 |
和歌山市のラブホテルにて(その6)
2008 / 05 / 18 ( Sun ) 彼女の指の動きが速くなり、私の棒は爆発した。彼女は掌をかぶせるようにして、白精を受け止め、「あらあら・・・」と言いながら傍らのティッシュを何枚か抜き取った。「たくさん出たね。手がべたべた」「さっき出してないから、2回分やからなあ・・・」「あほ(笑)・・」。彼女は手をティッシュで拭きながら、「ふ~ん、こんな風になるのね・・・」と、しぼんで丸っこくなった私の棒を見つめ、「変なの・・・」と、受け止めようによっては聞き捨てならないことをつぶやいた。
この後、私たちは和歌山城を見学し、早めの夕食をすませて、彼女は大阪に、私は京都に戻った。このときのことは、科学博物館などという公共の施設の一画でコトに及んだり、私の棒が初めて彼女の口の中に収まったりと、大変刺激的な思い出として私の脳裏に焼き付いている。 この頃はとにかく会えば二人ともSEXのことばかり考えていたような気がする。どっちがキッカケを作るのか、我慢比べみたいで面白かった。 官能小説の奥義 (集英社新書 410F) (新書) 官能小説用語表現辞典 (ちくま文庫) (文庫) |