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「景子と」 総集編その8
2017 / 01 / 27 ( Fri )
「景子と」 総集編その8

第8章 四国旅行~姫路・岡山・鷲羽山にて

景子は自分で「余白の広い顔」なんて言ってたが、結構美人だったと思う。当時NHKでニュースキャスターをしていた宮崎緑、羽生善治の奥さんになった元アイドルの畠田理恵、朝の連ドラのヒロインを演じた田中美里といった人たちに似ていた。少し金属質の声で、真面目で融通の利かないところがあり、クレッチマーの分類でいけば分裂気質に入るだろうか。しかし、ユーモアも十二分に持ち合わせていて、よく面白いことを言った。

私の下宿は木造だったので、SEXは殆ど声を立てなかった。大抵、カーペットの上でじゃれ合っているうちにことに及ぶことが多くて、その最中は、ギシギシという床がきしむ音と「アッ、アッ」とか「ウッ、ウッ」という彼女のため息だけが発せられていた。そんなSEXが習い性になっていたせいか、別に音を立ててもかまわない所でのSEXも、おとなしいものだった。

彼女とは何度か2人で旅行をした。四国や岐阜、秋田県の鳥海山に登ったこともあった。今回は四国に1泊2日で旅行したときのことを書こう。これは2回目の旅行だった。

このときは姫路、岡山、鷲羽山とまわって瀬戸大橋を渡り、丸亀で一泊。翌日は丸亀城を見学して高松へ。そこから高徳線で徳島まで行き、フェリーで大阪の深日港に渡るといった行程だった。

この時は、その2ヶ月前くらいに喧嘩をして、その仲直りを兼ねた旅行だったように記憶している。その間、彼女の身体に触れるどころか、デートもしていなかった。日程を合わせて計画を立て、ホテルを予約するとき、電話で「部屋はどうする?」とカマをかけるように尋ねた。彼女は「別々の部屋で寝る?でもやっぱり一人で寝るのは寂しいから、ひとつにしよ」なんて照れたように答えた。まあ、完全に歩み寄ってくれているわけで、『ということは、ホテルでは抱き合うことになるよなあ、そこまでにこの間からの気まずい空気をどうかせんとあかんけど、どういう風に仲直りすればええんやろ』、なんて考え込んでしまった。

彼女は堺から、私は京都からなのでJR大阪駅で待ち合わせて、快速西明石行きに乗り込んだ。喧嘩の余波でなんとなく気まずく、「元気やった?」「うん」などとよそよそしい会話で始まったが、そこは普通列車の旅で長大な時間を共有することになる。岡山までは3時間弱、そこから丸亀までは1時間くらいかかる。結局、姫路で途中下車する頃には普段どおりの雰囲気になっていた。姫路城を見学するときは、人気がなくなると彼女の方から手をつないできたりした。

姫路城は小学生のとき以来だった。久し振りに見るそれは、なかなか立派だった。明治維新、廃藩置県が強行されたとき、日本中の天守閣をもつ城は取り壊されたが、例外として残された城がいくつかあった(彦根、松本、犬山、丸岡など)。姫路城もその一つであり、規模からいえば唯一のものである。駅へ戻る途中の商店街で彼女は麦藁帽子を買った。シンプルな造作のそれを頭に載せて「似合う?」と笑う彼女は、なんだか妙に可愛く見えた。

岡山では駅前の寿司屋で「祭寿司」という郷土料理を食べた。ちらし寿司のちょっと派手なものという感じ。岡山では市内観光はせずに瀬戸海峡線に乗り込む。途中、鷲羽山へ寄った。当時、瀬戸大橋は架けられてまだ間がなかった。海を渡る巨大な建造物はまだ目新しく、それを一望するには鷲羽山は格好の場所だった。児島駅から鷲羽山に向かうバスがでていた。まだ残暑の気配が残る鷲羽山は観光客もまばらで、バスを降りた私たちは展望台に向かった。

途中、景子は「なんか、お腹が痛い」としゃがみこんでしまった。「大丈夫?」「背中をさすって」「いいよ」。右手でワンピースの上から背中をゆっくりさすっていると、彼女の手が私の左手に触れ、自分のお腹の方にもっていった。「ここもさすって」「うん」。それは妙な光景だった。2人ともしゃがみこみ、私は彼女の肩を抱えて、ワンピースの上から彼女のお腹をさすっているのだ。やがて彼女はワンピースのボタンを一つ外し、私の手を中に導きいれた。スリップのサラサラした感触の上から暫くの間、彼女の腹部をさする。私の指は悪戯っぽく動き始める。さする、から愛撫に変化する。2~3分間もそうしていただろうか、彼女が顔を上げて、両手を私の身体にまわし、ギュッと抱きしめて、耳元で「直った」と言った。私たちは立ち上がり、手をつないで展望台に登っていった。

展望台の木のベンチに腰かけると、瀬戸大橋が一望できた。橋脚のてっぺんがチカチカと光り、長大なケーブルはうねるように、本州と四国を結んでいる。それは静止した建造物には見えなかった。今にも動き出しそうなダイナミックな建造物だった。「すごいね」「大きいなあ」。暫くの間、私たちはあっけに取られてそれを眺めていた。しかし、目の届くところに唯一居た中年の夫婦連れが見えなくなると、彼女は私に抱きついてきた。

私も彼女の方に身体をまわし、彼女の上半身を抱きしめた。彼女の首筋からはシャンプーの香りがした。首筋にキスをして、そのまま唇を彼女の頬に捺しながら動かした。彼女もわずかに首をまわし、唇が重なった。軽く何度か触れ合った後、お互いの舌先が唇をさぐりあった。舌がゆっくりと絡まり久々の感触はなんだかすごく気持ち良かった。

「キス、久し振りやね」「気持ちいい・・・」「そうやね」「もう一回・・・」。私たちは再び目を閉じて、唇を合わせ、舌を絡ませあった。彼女の手が動き、私の硬直をさぐっていた。私も彼女の胸に手を這わせる。ズボンの上から(その下にはパンツがある)と、ワンピースの上から(その下にはスリップとブラジャーがある)の愛撫だったが、2人ともそういった行為のもたらす官能に浸り始めていた。

瀬戸大橋を望む誰もいない展望所で私たちは久々のキスを交わしていた。私の手はワンピースの裾を割ってストッキング越しに彼女の太股と割れ目をまさぐった。指先で彼女の割れ目の部分を何度も何度も撫で上げる。パンティーの、そしてストッキングの上から、その部分がしだいに熱を帯びてくるのが分かった。手の甲にはスリップのサラサラした感触がまとわりつく。彼女の唇が苦しげに私の唇を外し「ああ・・・」と熱い吐息を漏らした。私は中指の指先を立てて、割れ目を掻くように刺激した。彼女の身体がビクンと震えた。「いや・・・、ああ・・・」。その部分はじんわりと湿気を帯びてきた。私は再び彼女の唇を捉え、舌を差し込んで蜜を吸った。「ううう・・・」。

彼女の身体を抱え、ベンチの上に横たえる。私の指は彼女の割れ目に刺激を送り続け、舌は蜜を吸い続けた。私は上体を起こして少しベンチから離れ、彼女の両足をハイヒールを履いたままでベンチの上に載せた。少しはだけたワンピースの裾から伸びる形のいい脚がなんともそそられる。彼女は軽く喘ぎながら無防備に全身をベンチの上に全身を横たえて、次なる快感を待っていた。私はベンチの反対側にまわり膝立ちになる。彼女の身体はキーボードのようで、私はそれを今から弄り回そう(演奏しよう)としていた。

景子はベンチにぐったりした様子で仰向けに横たわっていた。草色のワンピースの裾からベージュのストッキングに包まれた脚が真っ直ぐに伸びている。黒いハイヒールは履いたままだ。ワンピースの胸のボタンを外し、スリップの上からブラジャー越しに乳房を愛撫した。「ああ・・・」。またキスをする。ブラジャーの中に指を入れて乳首をつまむ。「うう・・・」。暫く乳房を転がすようにしてから、今度はワンピースの裾をゆっくりとたくし上げる。ごく普通の白いパンティーがベージュのストッキング越しに露わになる。掌で、ゆっくりと太股の部分を撫で回す。ストッキングのすべすべした感触が心地よい。時々、太股の付け根の部分を指先で撫で上げると、「あん・・・」と反応する。何度か指の悪戯を繰り返し、ビクビクと反応する彼女の様子を楽しむ。

私は彼女をもっとHな格好にしたくなった。まず、ワンピースの上半身のボタンを全て外し、スリップとブラジャーの肩紐をひじの辺りまですらした。さらに背中の部分に両手を入れてブラジャーのホックを外し、乳房を露出させた。次にストッキングを膝まで、パンティーを太股までずらしてヴァギナを露出させた。彼女は「いや、いや、やめて」と口では言うが、抵抗する様子はなかった。それはおそろしくエロチックな眺めだった。私は乳首を口に含み、指を割れ目に沿って何度か上下させた後、その中に差し入れた。「ああ、うう、いや、ああん」。彼女の身体が軽くのけぞった。

彼女の手が、秘所にもぐりこんだ私の手を取り、指を抜こうとする。私は力を入れて逆に指を深く差し込み、ヴァギナの中で指先を掻くように動かした。「アアア、イヤッ!やめて・・・」。彼女の身体がまた弓なりに反り返る。あまり激しく動くと、ベンチから落ちてしまうので少し力を抜く。左の乳首を口に含み、指をヴァギナの入口まで戻し、割れ目を上下に柔らかく愛撫する。その部分はトロリとしたジュースで溢れさせ始めた。

乳首を口に含んでいる私の耳元で彼女が「ねえ、はあ、はあ・・・、ねえ・・・」と喘ぐように何か言おうとしている。乳首を離し「ん」と彼女の目を見る。「はあ、はあ、はあ・・・」と喘ぐ表情を見ていると、なんだかいとおしくなって唇を奪おうとすると、「しよ・・・、ねえ、このまましちゃお・・・」と尋常ならざることを言う。私の棒も準備万端ではあるのだが、いかんせん何の遮蔽物もないところで、事に及んでいるところで人が来るとどうしようもなくなる。と、理性は語りかけるが、私の手は彼女の膝までずらしたパンティを脚から抜こうとしていた。

ハイヒールを足から外してベンチの側に置き、ストッキングを脱がせる。続いてパンティも足首から抜いた。それらを軽く畳んで私のデイバッグの上に置く。目の前には妖しく潤んだ彼女の秘所が私の棒の挿入を待ち焦がれていた。「入れて・・・」彼女が再び囁く。私はズボンと下着を下ろし、そそり立った棒の先端をゆっくりと彼女の割れ目にあてがった。「このままでいい」「うん、安全日だよ」。クリトリスの部分を雁の先端で上下に擦ってやる。「ああ、ああん・・・」彼女の身体がビクンと動く。と、遠くの方から、坂を登る車の音が聞こえてきた。無人だった展望所に誰か上ってきたようだ。彼女はハッとしたように目を開き「誰かくるね」と言った。「うん」「こんなとこ、見せられへんね」「うん。でも折角やから」と私は棒の先端を彼女の割れ目の中に軽く突き入れた。「あっ、ダメ、ダメだってば!」。そのまま奥まで入れてしまう。「あああ、いや・・・」。車の音が近づいてきて、停まった。が、かまわずにそのまま何度かピストンをする。「ああ、くふん、ああ、いい、でもダメ、ダメ・・・、抜いて、抜いて・・・、もう、やめよ・・・、あああ」。エンジンの音が切られる。「バタン!」ドアを閉める音が聞こえた。「やめて、ねえ、やめよ・・・」彼女がすがるような目を私に向ける。

さすがに私も棒に手をあてがって、ゆっくりと彼女のヴァギナから抜いた。ポケットからティシュを出して、双方の部分を軽く拭う。彼女は身を起こし、デイバッグの上からパンティを取り上げ、慌てて足首から通す。私も硬くなったままの棒をパンツで押さえつけ、ズボンを履き直した。彼女の方はストッキングはややこしいので、無視し、そのままハイヒールを履いて、ブラジャーとスリップを直し、ワンピースのボタンをはめていた。結構アッという間に普通の姿になってしまうもんだ。「ストッキングは入れといて」とデイバッグのチャックを開けて押し込む。駐車場の方から人の声が聞こえ、続いて人影が現れた。

私たちは臀部を少し動かしてベンチの上に座りなおし、お互いの顔を見合わせて、くすりと笑った。
「私ら、無茶苦茶やねえ・・・」
「ホンマやなあ、でも、こういうのもなんか・・・」
「興奮するね」
「うん」
徐々に火が収まりつつあった。彼女が首をかしげ私の肩に頭を載せる。瀬戸大橋の下を大きな貨物船がくぐり抜けようとしていた。人影は若い男女の姿になり、こちらに近づいてきた。私たちは立ち上がり、彼らの方に向けて歩き出す。途中ですれ違った男女は、手をつないでいた。それを見た私たちも、どちらからともなく手をつないだ。駐車場にはタイミングよくバスが上ってきたところだった。

バスで児島まで戻り、再び瀬戸大橋線の快速マリンライナーに乗り込む。
瀬戸大橋は途中の小さい島々に橋脚をおいた巨大なつり橋で、ようこんなところを電車や車が走るなあ、と思わせる迫力があった。かなりの高さから見下ろした瀬戸内の海の色は美しく、行き交う船はオモチャのように見える。
15分もすれば四国に渡ってしまい、そういう意味では宇高連絡船の頃の情緒はなくなってしまった。四国に渡ると線路は左右に分かれ、左は坂出経由で高松、徳島に、右は宇出津、丸亀から松山へと向かう。
景子も理系の人間なので、このような巨大建造物は好きみたいだ。
「大きなダムとか、巨大橋とか、見てるとワクワクする」なんてことを言う。
普段の電車の中では、ボックス席で二人きりになり人目がなくなると、すぐに抱きついてきたり、チンポコに手を伸ばしたりするのだが、この日は窓外に目をやったままだった。

電車は高松行きだったので、坂出で松山方面の電車に乗り換える。
この当時はまだ地方都市の駅前商店街が健在だった。
丸亀駅からホテルに向かう途中の商店街は夕方の買い物客で賑わっていた。
肉屋や八百屋、惣菜屋、豆腐屋。
なんだかおなかが空いてきた。

ホテルを予約したのは彼女だった。
「駅から近いの?」
「うん、10分位って、言ってたけど」
「こっちで合ってるの?」
「多分・・・」
なんだか心もとない。
でも、10分も歩くと、「丸亀グランドホテル」という看板が見えてきた。

と、私の頭の中で、一旦治まった官能の火がチョロチョロとくすぶり始めた。
横を歩く彼女の口元を、軽く盛り上がった胸元を覗き見る。
これから、15分もしない内に、あのホテルの部屋で二人っきりになれる。
誰にも邪魔されずに、彼女を抱きしめて、その華奢な身体を再び弄りまわせるのだ。

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3冊目はタイトルが秀逸(下劣?)ですね。



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