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四国旅行(その9)
2010 / 10 / 16 ( Sat )
バスで児島まで戻り、再び瀬戸大橋線の快速マリンライナーに乗り込む。
瀬戸大橋は途中の小さい島々に橋脚をおいた巨大なつり橋で、ようこんなところを電車や車が走るなあ、と思わせる迫力があった。かなりの高さから見下ろした瀬戸内の海の色は美しく、行き交う船はオモチャのように見える。
15分もすれば四国に渡ってしまい、そういう意味では宇高連絡船の頃の情緒はなくなってしまった。四国に渡ると線路は左右に分かれ、左は坂出経由で高松、徳島に、右は宇出津、丸亀から松山へと向かう。
景子も理系の人間なので、このような巨大建造物は好きみたいだ。
「大きなダムとか、巨大橋とか、見てるとワクワクする」なんてことを言う。
普段の電車の中では、ボックス席で二人きりになり人目がなくなると、すぐに抱きついてきたり、チンポコに手を伸ばしたりするのだが、この日は窓外に目をやったままだった。

電車は高松行きだったので、坂出で松山方面の電車に乗り換える。
この当時はまだ地方都市の駅前商店街が健在だった。
丸亀駅からホテルに向かう途中の商店街は夕方の買い物客で賑わっていた。
肉屋や八百屋、惣菜屋、豆腐屋。
なんだかおなかが空いてきた。

ホテルを予約したのは彼女だった。
「駅から近いの?」
「うん、10分位って、言ってたけど」
「こっちで合ってるの?」
「多分・・・」
なんだか心もとない。
でも、10分も歩くと、「丸亀グランドホテル」という看板が見えてきた。

と、私の頭の中で、一旦治まった官能の火がチョロチョロとくすぶり始めた。
横を歩く彼女の口元を、軽く盛り上がった胸元を覗き見る。
これから、15分もしない内に、あのホテルの部屋で二人っきりになれる。
誰にも邪魔されずに、彼女を抱きしめて、その華奢な身体を再び弄りまわせるのだ。
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テーマ:自伝的官能小説 - ジャンル:アダルト

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